YouPicという写真SNS

YouPicトップ画面

YouPicという写真SNSはご存知ですか?
なぜか最近になって(昨年後半から今年はじめにかけて)ソーシャルメディアなどで見聞きするようになったサービスで、いちおうスウェーデン発とされています。YouPicはおしゃれっぽい写真SNSという触れ込みのためか、インスタグラムと比較されることも少なくないようですが、決定的な相違点があります。
それは画像に閲覧制限をかけられることで、それによって裸体表現の公開が可能となっています。
その他にも記事エントリの公表が可能だったり、写真技術に関する教育コースが用意されていたりと、顕著な特徴をいくつも備えたサービスと言えます。ただし、無料登録では初期登録時を除いて12時間毎に1エントリしか画像や記事をアップできないため、無課金でバンバンRAV/RTを稼ぎたい人にとっては、さほど魅力がないかもしれません。
また、ブラウザの機能などで日本語の表示もあり、基本的な操作には不自由しませんが、記事などは英語のみのサービスです。ハッシュタグも、補助記号を含まないアルファベットのみが効果を持つと考えて良いでしょう。その意味では、日本人にとっていささか敷居が高いサービスかも知れません。
それでは、最近の噂や運営者のインタビュー記事などを紹介しつつ、サービス内容を簡単に説明しましょう。

勧誘の噂

なぜ「最近」になって名前を見かける用意なったのかと言うと、どうやら自社以外のソーシャルメディアなどを通じて登録者を増やすための勧誘活動が活発化したためのようです。
下の記事でも勧誘されたことが登録のきっかけと書かれています。

YouPic始めてみた/インスタと違うところ|ひらぱ〜|note(ノート)

また、英語圏の写真フォーラムなどでも「YouPic勧誘されたけど、なんなん?」的なトピックが目に付きますし、最近は大物写真家のスティーブ・マッカリーが勧誘を受けてアカウントを開設したとのアナウンスも流れました。

Steve McCurry(YouPicアカウント)

これらを総合するとYouPicスタッフはかなり活発に勧誘活動を展開しており、世界トップクラスの大物写真家へのアプローチも行われているのは間違いないと言えましょう。

最高経営責任者のインタビュー記事

となると、ごく最近に運営を開始した新規サービスかのように思われますけど、実は2015頃からスウェーデンのイェーテボリで活動していたという、それなりの実績を持つサービスだったりします。以下にYouPicの資金調達成功を受けてCEOのNavid Razazi氏に行われたビジネスメディアのインタビュー記事へのリンクを張っておきます。

Photo enthusiast community YouPic lands €500K to fuel its ambitious growth plans

インタビューにおいて興味深かったのはNavid Razazi氏が写真関連の教育に力点を置くと明言したことで、実際にYouPicでも写真の基礎知識などに関する教育プログラムが提供されています。また後述するように、サービス内ではゲーミフィケーションめいた登録者の行動を導く仕組みがいくつもあり、そこらへんも教育に力点をおいていることを反映しているのかなぁと思いました。

サービス内容

さて、実際のサービスはどのようなものかと言うと、トップ画面はこのような感じです。

YouPicトップ画面

ブラウザで閲覧すると3カラム表示ですが、スマホ用アプリはセンターのタイムラインのみが表示されます。左カラムはアカウント情報ですが、アイコン下の炎カウンターはMystery Fireとのことですが、公式の説明もこんな調子 Mystery Fire なので、正直なところ意味不明です。
話を戻すと、基本的にトップは投稿された写真を閲覧するための場所で、ソーシャルメディアにはありがちなフォローやフォロワーのカウンターもありませんし(カウンターはプロフィールページにある)、投稿ボタンもページトップのリボン部に収まっています。そのため、右カラムのスポットライト写真やフォローサジェストがよく目立ち、太い動線を形成していると言えましょう。
このスポットライトは、後述する受賞ラベルとの相乗効果で、単なる運営ピックアップより大きな意味を持つように感じます。

こちらがアカウントの被閲覧状況などを示すステータス画面ですが、興味深いの受賞ラベルとフィードバックの項目です。まず受賞ラベルですが、ご覧の通り撮影した国の数だの獲得ファボの総数だのでラベル表示が解除されるという、なんだかソシャゲみたいなギミックです。
次に下部のフィードバックグラフは、投稿画像の構成やクリエイティビティなどを他のアカウントが評価できるので、それらの平均値がどのように推移したかを表示しています。こういうのはダミーアカウントによる評価偽装や、反対に低評価ラッシュ、粘着などへの対策が重要なのですけど、現段階では解明できていません。

これはステータス画面を下にスクロールすると表示される全画像の総閲覧数グラフですが、アカウント開設直後には多かったのが、急速に減っています。これはふたつの要因があり、ひとつはアカウント開設時のチュートリアル的なギミックで画像5カットを2回、計10カットをアップできることです。新着画像は閲覧数が伸びるため、それが10カットもあれば、それなりの数を期待できます。
しかし、アカウント開設時にアップロードしたあとは12時間毎に1エントリしかアップできなくなるため、必然的に閲覧数は減少します。なぜならYouPicで表示されるのはタイムラインに表示されるフォロワーの投稿と運営のスポットライトが基本で、その他は個別のプロフィールページへ遷移するか、あるいは検索しないと表示されないでしょう。つまり、ソーシャルなどで告知する、あるいはダイレクトリンクをばらまくかしない限り、過去投稿画像は基本的に閲覧されないのです。
こうして考えると、運営ピックアップはかなり大きな意味を持っています。最初に紹介したひらぱ~氏のnote記事でも「注目するわ」と勧誘されたようで、それはこのピックアップを示しているのではないかと思います。自分もアカウント開設直後に3回ほど続けてピックアップされ、なにごとかと思っていたらそれっきりという流れでした。それが閲覧数にもあらわれています。

これは検索画面のトップですが、左上の星印は運営ピックアップのマークです。ピックアップされると検索でも上位に表示されることがわかります。正直なところ、ファボを稼ごうと思ったらピックアップされないと話になりません。

次に投稿ですが、画像の他に動画や記事も投稿できます。ただし、無課金では12時間毎に1エントリしか投稿できず、画素数や時間、文字数なども制限されます。
興味深いのは、投稿時に以下のようなダイアログが表示され、検索性を高めるよう促されることです。

Tip: We have noticed that the resolution of your photo is low. If you upload with a higher resolution, you increase the possibility for exposure and good feedback!

そして各項目を埋めていくと「発見されやすさ(Discoverability &&%)」なるパーセンテージ値が上昇するので、当然ながら100%を目指すように促されるわけです。

まとめ

 今回は特に触れませんでしたが、写真技術に関する教育プログラムがあったり(下の画像)、有料会員限定ですが写真家を紹介、斡旋する機能も備えていたりと、なかなか興味深いサービスを展開するYouPicですが、肝心のフォトギャラリ機能がいささか弱いと言うか、フォロワーが写真もタイムラインで流れてくるばかりなので、多くの写真を一気に楽しむ事は困難です。その意味でソーシャルメディア的と言うか、コメントなどのやり取りを楽しむことに力点が置かれているのかもしれません。もちろん、英語などでやり取りができれば、の話ですが。
ともあれ、興味深いサービスではあります。既に数年の運用実績もあり、世界的に著名な写真家もアカウントを開設しているので、相性が良さそうなら腰を据えて楽しめるサービスではないかと思います。

カムラン Kamlan KL50mm F1.1

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マイクロフォーサーズマウントでフルサイズ換算だと100mmの中望遠レンズとなる「KL50mm F1.1」を試しました。
代理店を通じた国内販売が始まり、カメラショップなどでも気軽に買えるようになった「カムラン」ブランドのレンズで、以前に取り上げた「Kamlan KL28mm F1.4」のシリーズです。

代理店アストロ&バードウォッチング機材専門店「シュミット」の「Kamlan KL50mm F1.1」販売ページ。

代理店の販売サイトでもアピールされているように、大口径レンズとは思えないほどコンパクトです。ただ、フードはかっこいいのですが中望遠レンズには浅すぎ、内部に反射防止用の加工がまったくないことも含めて、気休め程度としか言えません。
このへんは値段なりということでしょう。
深さの点では「KL28mm F1.4」の深いフードが適しているのでしょうけど、どちらもバヨネットマウントの加工が甘く、妙に渋かったり緩かったりします。

幸いにもアタッチメント径が52mmなので、汎用フードでも中古でも選び放題ですから、気になる向きは手元のフードと入れ替えたほうが良いでしょう。

大口径レンズなのにコンパクトなのは5群5枚というレンズ構成によるもので、メーカーサイトの「KL50mm F1.1」解説をご覧になれば一目瞭然、かのルードヴィッヒ・ベルテレがA.クルーグハルトとともに開発し、当時は世界を代表する明るいレンズだったエルノスターの流れをくんでいるというか、まぁ現代版といったところです。
エルノスターは中望遠レンズに適したレンズ構成とされており、それをモダンテイストにアレンジするという着眼点はなかなか興味深いところです。ただ、高折射率鏡片(おそらく、異常分散ガラスでしょう)を2枚使ってもなお、エルノスターの欠点とされる収差の解消は難しかったようで、写りはずいぶん個性的なレンズです。また、これも「KL28mm F1.4」と同様にメーカーサイトではMTFチャートを掲載しているので、お好きな方は読み取ってみてください。
絞り羽根も「KL28mm F1.4」と同様に11枚で、クリックレスの不等間隔で「f11」の表示がないところも同じです。

肝心の写りですが、古典的な設計だけあって描写も古風というか味わい深いというか、グルグルボケに渋い色合いは好みがきっぱり割れそうですね。しかも、ポスプロで修正しにくい描写傾向でもあるところを考えると、現代風に仕上げるのはかなり厳しいでしょうね。
この辺はメーカさんも意識していたようで、すでに本国では「KAMLAN KL50MM F1.1 Ⅱ」なる新型が発売されているようです。スペックをみる限りでは6群8枚という構成だそうで、ふつ~にダブルガウスというかプラナーベースのレンズではないかなと推測します。またMTFなどから、描写も現代的で万人受けしそうな感じですから、できれば併売し続けてほしいところですね。

以下、作例(すべて開放)
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星玄人写真展「St.photo exhibition 31 東京」と須田一政写真展「煙突のある風景」

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大型連休ということで、久々に写真ギャラリーをはしごした。

最初に鑑賞したのはプレイスM須田一政写真展「煙突のある風景」で、同名の写真集が発売されることに合わせて開かれた展示のようだった。また、須田氏が亡くなられたのは今年の3月で、おそらくは生前から準備されていた展示ではあろうが、どうしてもあれこれ考えてしまう。

須田氏は十分な実績と評価を有する、戦後日本を代表する写真作家のひとりと言っても良さそうな人物である。もちろん、展示作品もその評価に恥じぬ質の高さで、作家自身の熱量と写真作家という存在に対する社会の目線が幸福なカタチで交錯したつかの間のひとときが、丁寧にプリントされていた。

正方形の6×6空間に収められた風景は、ただ当時の写真的な良さ、美しさ、同時代のいきいきした眼差しを銀塩に焼き付けただけのはずだが、時間という隔たりの彼方から眺めると、そこにはどうしても幾ばくかの郷愁、あるいは異界感が漂ってしまうのは避けられそうになかった。だから、撮影地と年代を記した展示の方法については、かすかなため息というか「仕方のないこととは言ってもなんとかならなかったものか」という心情を覚えてしまう。
もちろん、作家没後の展示であり、そこには限界があることも理解しているつもりではあるが……。

次に鑑賞したのはサードディストリクトギャラリー星玄人写真展「St.photo exhibition 31 東京」で、ナンバリングにも表れているようにこのテーマで31回めの展示となる。星氏は平成日本で最も活動的なストリートフォトグラファーのひとりだが、最近では海外からも注目されているようだ。

展示作品は夜の新宿を撮影したストリートフォトグラフィーだが、かれこれ十数年に渡って取り組んできたテーマだけあって、そこにはひとつの作家的美学のようなものが構築されている。ただ、その中にもある程度のゆらぎというか、変化し続けている部分はある。今回の展示ではわりかしはっきりと変化を志向した感があり、それはたまたま立ち話をさせていただいた作家氏自身の言葉によっても裏付けられた。

須田氏と星氏という、新宿を拠点に活動した新旧ふたりの作家と作品を同時に鑑賞できる機会は貴重なので、ぜひとも会場へ足を運んでほしい。

ニコン F マウント マイクロフォーサーズ マウントアダプタ(ELEFOTO)

ELEFOTO(エレフォト)製のニコンマウント(Fマウント)レンズアダプタマイクロフォーサーズボディ用を購入しました。これは旧版で、現行品はレンズマウント側の縁部やリリースノブにローレット加工が施された他、ロゴなどもプリントへ変更されているようです。

アダプタそのものを説明する前に、まず「ニコンマウント」についてごく簡単に説明します。ニコンの一眼レフカメラは(ミラーレスカメラやレンジファインダーカメラは一眼レフカメラと異なります)、銀塩カメラもデジタルカメラもNikon Fマウント(ニコン公式表記)を採用しています。このFマウントは新旧各機種の間で「多くの互換性がある」ため、いちおうひとつのマウントとされています。とはいえ、長年に渡るカメラの発展や多機能化に伴って様々な改良が加えられた結果、物理的にレンズが装着できたとしてもボディ側の機能が大きく制限されたり、あるいはそもそも物理的にレンズが装着できない組み合わせも発生しました。
詳しくはこちらのサイトをご覧ください。かなり複雑な有様であることが、よくご理解いただけると思います。

決定版(?) ニコンFマウント解説 (By キンタロウ)

さて、このアダプタにおけるニコンマウントとは、いったいどの時期のどのようなマウントなのかという問題ですが、それはニコンFが採用していた最初期のFマウントでした。つまり、マウントにカメラボディとの物理的、電気的な情報交換部はありません(当初のFマウントはレンズ鏡胴に露出計との接続爪を備えていました)。
そのため、このアダプタそのものも単なる金属のリングで、可動部もレンズマウントのストッパがあるだけです。また、情報交換部を持たないがゆえに、絞り環をもたないGタイプレンズを装着した場合は、常に開放となってしまいます(ただし、これとは別に機械的な連結機能を備え、絞りを制御できるアダプタも市販されています)。

このように、仕組みとしてはシンプルなので、製品の質を左右するのは剛性や可動部の滑らかさ、加工精度となります。その点、このアダプタは非常にしっかり作られており、レンズやボディとの着脱も気持ちいいほどがっちり、かつスムーズです。
あえて難点をあげるなら、全体にツルッとなめらかなので、いささか力を入れにくく感じることもあるか、ないかと言ったところです。ただ、それも現行バージョンではローレット加工などが施されておることから、ある程度は改善されているようです。

マイクロフォーサーズ規格ですと、素子サイズの関係からレンズの実効焦点距離が2倍となってしまうため、銀塩時代やフルサイズセンサー用のレンズは使いにくく感じるところがあるかもしれません。しかし、考えようによっては標準から中望遠域のレンズが軽量小型の望遠レンズとして使えるので、機材をコンパクトに収められるかもしれません。しかも、レンズの開放値は変わらないので、手軽に大口径望遠レンズを楽しめるとも言えます。

 

Cマウント マイクロフォーサーズ マウントアダプタ

中国製のCマウントレンズアダプタ、マイクロフォーサーズボディ用を購入しました。

Cマウントとはねじ込み式レンズマウントのひとつで、映画用16ミリカメラの標準マウントでもありました。スチルカメラの採用例はごくわずかですが、拳銃型写真機として有名な「ドリュー 2-16」はそのひとつです。

ドリュー 2-16(産業技術史資料データベース)
Doryu 2-16(Camera wiki)

Cマウントの由来は、ベル・ハウエル社(Bell & Howell)のレンズマウント規格です(出典 C-mount)。同社は別にAとBマウントを開発していたことから、3種類目3番目)のマウントとしてCマウントと名付けたようです。
ベル・ハウエルはアメリカを代表するシネカメラのメーカーで、フィルモ(参考 ウィキペディア フィルモ)と名付けられた同社のシネカメラは、第2次世界大戦前から戦後にかけて西側報道用シネカメラの標準となるほどヒットしました。
また、同社のCマウントもフランスのボリューやスイスのボレックスなど、様々なシネカメラに採用され、事実上16ミリシネカメラの標準マウントとなりました。
このような背景から、現在でも16ミリシネカメラはもちろん、
防犯カメラや工業用カメラなどのCCTV規格がCマウントとなっており、さらには一部の顕微鏡にも採用されています。

Cマウントそのものは単なるねじ込み式で、ストッパやカメラボディとの物理的、電気的な情報交換部を持ちません。マウントの詳細については、浅沼商会の光学豆知識「第1回 Cマウントレンズと、CSマウントレンズ編」を参照してください。

さて、基本はねじ込み式ですから、アダプタもこのようにシンプルです。そのため、最近ではマイクロフォーサーズ用のアダプタが安価に販売されており、特に中国製のアダプタはびっくりするくらい安く流通しています。
ところが、安かろう悪かろうではありませんが、中国製のアダプタにはいくつかの問題がありました。
自分は並行輸入している知人から購入したのですが、まずボディに装着できないものがあるので、全量チェックしているとのことでした。さらに、中には無限が出ないものも含まれているそうで、出荷可能な状態のものはかなり少ないということです。
また、無事に装着できて無限が出るものでも大半はオーバーインフ、つまり無限遠よりも奥まったところまで「ねじ込めてしまう」そうです。もちろん、使えないよりはるかの良いのですが、これは固定焦点の16mm映画カメラ用アンジェニュー10mm/f1.8を使うときに、大きな問題となりました。

最後に、並行輸入している知人からいただいた画像ですけど、注文した通りの商品が届くほうが少ないそうで、このときは注文した10個のうちCマウント用は2つだけ、残りはM42マウントレンズ用のニコンマウントアダプタだったそうです。
当人は「マイクロフォーサーズ(M4/3)とM42で間違えたんだろうね」と笑っていましたが、これじゃ小遣い稼ぎにもならないよなぁと思いました。