アンジェニュー 10mm f1.8(10R21) Cマウント

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マイクロフォーサーズのPEN-FにCマウントアダプタを介してアンジェニュー10R21を装着、撮影しました。



代表的な16mm映画カメラ用のCマウントレンズ、アンジェニュー10mm/f1.8(10R21)を試しました。まず16mm映画カメラについてはWikipediaの解説「16mmフィルム」を、おおまかな背景とターレットマウント(回転式レンズマウント)への装着状況についてはナックイメージテクノロジーのサイトに掲載されているアンジェニューの歴史を参照してください(リンク先はFilm and Digital Timesが2013年10月に出した小冊子のAngénieux Historyを訳したもののようですが、なぜかAngenieux 25mm/f0.95を10mmと誤記しているので、その点は注意してください)。
先のwikiには16mmフィルムのコマサイズも解説されていますが、それはマイクロフォーサーズ規格よりもかなり小さく、さらに1インチ規格よりも一回り小さいぐらいなので、16mm映画カメラ用のCマウントレンズはイメージサークルが不足します。とはいえ、たいていのレンズには光学的な余裕があり、標準から望遠系のレンズなら四隅がケラれるていどです。

ところが、広角系のレンズはイメージサークルの余裕がほとんどないため、はるかに大きくケラれます。アンジェニュー10R21も同様で、大きくケラれてほとんど日の丸のようになってしまいます。下の画像はマイクロフォーサーズで撮影したものですが、ノートリミングだと画面の中央に丸く結像しているだけです。

また、アンジェニュー10R21は固定焦点レンズなので、絞り込んで被写界深度へ追い込まないとピントは合わせられません。いちおう、開放はf1.8なのですが、被写界深度が浅くなる上に描写も甘いので、実用的には最低でもf4まで絞らないと使いにくいし、おそらくはf8か11まで絞ることとなるでしょう。
とはいえ、ねじ込みマウントなので、微妙に緩めたり締めたりすればピント合わせも可能ですし、そういう使い方をしているユーザも多数います。もちろん、緩め過ぎれば脱落してしまうので(しかもアンジェニュー10R21は重い)、あまりおすすめできません。

そして、本来というか16mmフィルムの撮像範囲で大まかにトリミングすると、だいたい以下のような感じとなります。通常の16mmはコマサイズが縦7.49mmの横10.26mmとなり、縦横比は4:3の対角線長は12.7mmとなります。仮に35mmフルサイズ換算すると約3.4倍となるため、アンジェニュー10R21は10mmなので34mmとなります。

また16mm映画にはパーフォレーション(フィルムの送り穴)を片側のみとして、音声記録用の時期テープを省略することで撮像範囲を拡大した「スーパー16」という規格もあり、その場合はコマサイズが縦7.41mmの横12.52mmとなり、縦横比は5:3の対角線長は14.55mmとなります。仮に35mmフルサイズ換算すると約2.96倍となるため、アンジェニュー10mmの場合は30mmとなります。
この縦横比はフルHDの16:9に近いため、その比率で16mmサイズにトリミングしたのが以下の画像です。

イメージサークルは足りなくても中央部はシャープなので、このようにトリミングしてしまえば問題はありません。ただ、トリミングしてまで使う必然性を感じるかというと、それはまた別というのが正直なところです。
トリミングするとフルサイズ換算30から35mmとなりますが、それらの焦点距離には各社の優秀なレンズがいくつもあり、どうしてもそれらと比較してしまいます。作例などからもうかがえると思いますが、確かに最近のレンズにはない味わいもあるものの、その上でもなお手間を掛けて使うほどの魅力があるかというと……。

固定焦点については、速写性という利点もあるので撮影の方向性しだいというところですが、そうなるとオリンパスのフィッシュアイボディーキャップレンズが比較対象となります。ところが、価格や入手の容易さ、さらには大きさと重さもフィッシュアイボディーキャップレンズのほうが優れていて、画質についても特段の優位性はないというのが正直なところです。
ただ、絞りは可変なので開放付近の甘い描写を楽しんだり、またケラれた黒い部分をフレーム内フレームととらえて丸い画像による作画効果をねらうなど、工夫次第ではデジカメでもなにか面白いことができそうなレンズではあります。

中国製 21mm 外付け光学ファインダ LEILA

eBayで中国製の格安ファインダを買ってみました。出品者の説明には画角21mmでRicoh GR GR2 GRDやFuji X70、Sigma DP DP1sなどの広角コンデジに使えるということでしたが、下の方には「フレームラインがありません、視野は丸く表示されます」なる、きな臭い注意書きもあります。
とはいえ送料無料で6千円弱ですから、コシナの中古と比べても半額程度というお手頃感です。これがライカだと中古と比べても3割程度、モデルによっては1割以下のお値段ですから、まぁ安物買いのなんとやらでもポチッちゃいますわな。

というわけで、落札から2週間するかしないかのうちに届いたのが……。
これです!

おしゃれな缶に入っていました。

eBayではノーブランドの無印でしたが、到着したファインダにはLEILA 21mmなる怪しい表記がはっきりと!
ちなみにクラプトンの「いとしのレイラ」はLaylaですから、これはやっぱりライカ(Leica)が元ネタでしょう。字体もどことなくライツ・ノルム(leitz-norm)っぽい感じで……。

というわけで、かなぁり好意的に表現してもパロディ商品なのですが、さてその実力やいかに?
いやまぁ、実力と言ってもフレームラインもないほぼほぼ素通しの光学ファインダですから、クリアに見えさえすればそれでいいんですけどね。


正直なところ、見た瞬間に「こりゃ魚眼だわ」ってなところで、気休め程度にもなるかならないか。なにしろ歪曲がひどくて水平も垂直も取りにくく、もちろん視野も雰囲気程度です。とはいえ、それでもないよりはマシなのは確かで、構図が決めやすくなるのは間違いないです。
歪曲のひどいファインダといえば、ロシアレンズのルサール用がありますけど、あちらの後期型はそれでも視野が四角かったので(初期の丸型ファインダは使ったことがありません)、見え具合はこのレイラよりマシでした。
ただ、ルサール用の角型ファインダはこのレイラよりも二回り近く大きく、近距離用の視野補正カムがついているのはいいんだけど、すぐにずれて視野も狂うという面倒くささがあったため、個人的には小さくて可愛らしいレイラのほうが好みだったりします。

MDaに乗せたら、こんなに可愛らしいですしね。

というわけで、しばらくはMDaとルサールの広角スナップを楽しもうと思います。

格安マウントアダプタの当たり外れ

最近では中国製の格安マウントアダプタが数多く出回っていて、オークションやネット通販では検索の支障となってしまいかねないほどです。もちろん、安かろう悪かろうでも値段に見合った機能を備えていれば、ひとつの商品として成り立ちます。

ですが、困ったことに格安マウントアダプタには不具合や不良品も少なくないため、購入には相応以上のリスクが伴います。

トップ画像は向かって右がeBayで購入したもの、左が日本のアマゾンから購入したもので、どちらも中国製です。どちらも送料無料でしたが、単価はeBay購入のほうが微妙に安かった反面、発送から到着までの時間はアマゾンのほうが短かくすみました。また、どちらも中国郵便でしたが、アマゾンは中国本土から、対してeBayはシンガポールからの発送でした。

外見的にはアマゾン購入品はかなり荒く、周縁部の刻み加工も見るからに雑です。対してeBay購入品はきれいに仕上がっており、安心感を与えてくれます。

幸いに、どちらも問題なく装着できたのですが、スクリューマウントのネジ切りが微妙に異なっていました。アマゾンから購入したものはレンズの指標が概ね上に来るのですけど、残念ながらeBay購入品はほぼ真横に来てしまい、撮影中の確認は難しそうです。

ところが、アマゾンから購入したものはややオーバーインフ気味で、レンズのスペックよりも最短撮影距離が大きくなってしまい、当然ながら距離指標は当てになりません。せっかく指標が上にきても、これではあまり意味がありません。もちろんAngenieux 10mm/F1.8のような固定焦点レンズは使いものにならないでしょう。ただAngenieux 10mmはスクリューマウントを緩めてピントを合わせるユーザが少なくないため、すらずに使いこなす猛者もいるような気はします。

対するeBay購入品は無限もきっちり出ますし、装着感も安定しBayていました。これで指標が上に来れば言うことなしだったのですが、値段を考えれば高望みにすぎるかもしれません。

もちろん、これはあくまでも一例であり、個人の経験に過ぎません。実際、今回は概ねeBayのほうがあたりといえましょうけど、以前「Cマウント マイクロフォーサーズ マウントアダプタ」で紹介したように、注文した10個のうちCマウント用は2つだけ、残りはM42マウントレンズ用のニコンマウントアダプタだったなんてこともあるので、たとえアマゾンでも日本語でやり取りや返品交換できる業者から買うほうが無難でしょう。

いや、そもそも怪しげな格安マウントアダプタなんかに手を出したら、やけどは免れないよってことなのかもしれませんが。

YouPicという写真SNS

YouPicという写真SNSはご存知ですか?
なぜか最近になって(昨年後半から今年はじめにかけて)ソーシャルメディアなどで見聞きするようになったサービスで、いちおうスウェーデン発とされています。YouPicはおしゃれっぽい写真SNSという触れ込みのためか、インスタグラムと比較されることも少なくないようですが、決定的な相違点があります。
それは画像に閲覧制限をかけられることで、それによって裸体表現の公開が可能となっています。
その他にも記事エントリの公表が可能だったり、写真技術に関する教育コースが用意されていたりと、顕著な特徴をいくつも備えたサービスと言えます。ただし、無料登録では初期登録時を除いて12時間毎に1エントリしか画像や記事をアップできないため、無課金でバンバンRAV/RTを稼ぎたい人にとっては、さほど魅力がないかもしれません。
また、ブラウザの機能などで日本語の表示もあり、基本的な操作には不自由しませんが、記事などは英語のみのサービスです。ハッシュタグも、補助記号を含まないアルファベットのみが効果を持つと考えて良いでしょう。その意味では、日本人にとっていささか敷居が高いサービスかも知れません。
それでは、最近の噂や運営者のインタビュー記事などを紹介しつつ、サービス内容を簡単に説明しましょう。

勧誘の噂

なぜ「最近」になって名前を見かける用意なったのかと言うと、どうやら自社以外のソーシャルメディアなどを通じて登録者を増やすための勧誘活動が活発化したためのようです。
下の記事でも勧誘されたことが登録のきっかけと書かれています。

YouPic始めてみた/インスタと違うところ|ひらぱ〜|note(ノート)

また、英語圏の写真フォーラムなどでも「YouPic勧誘されたけど、なんなん?」的なトピックが目に付きますし、最近は大物写真家のスティーブ・マッカリーが勧誘を受けてアカウントを開設したとのアナウンスも流れました。

Steve McCurry(YouPicアカウント)

これらを総合するとYouPicスタッフはかなり活発に勧誘活動を展開しており、世界トップクラスの大物写真家へのアプローチも行われているのは間違いないと言えましょう。

最高経営責任者のインタビュー記事

となると、ごく最近に運営を開始した新規サービスかのように思われますけど、実は2015頃からスウェーデンのイェーテボリで活動していたという、それなりの実績を持つサービスだったりします。以下にYouPicの資金調達成功を受けてCEOのNavid Razazi氏に行われたビジネスメディアのインタビュー記事へのリンクを張っておきます。

Photo enthusiast community YouPic lands €500K to fuel its ambitious growth plans

インタビューにおいて興味深かったのはNavid Razazi氏が写真関連の教育に力点を置くと明言したことで、実際にYouPicでも写真の基礎知識などに関する教育プログラムが提供されています。また後述するように、サービス内ではゲーミフィケーションめいた登録者の行動を導く仕組みがいくつもあり、そこらへんも教育に力点をおいていることを反映しているのかなぁと思いました。

サービス内容

さて、実際のサービスはどのようなものかと言うと、トップ画面はこのような感じです。

YouPicトップ画面

ブラウザで閲覧すると3カラム表示ですが、スマホ用アプリはセンターのタイムラインのみが表示されます。左カラムはアカウント情報ですが、アイコン下の炎カウンターはMystery Fireとのことですが、公式の説明もこんな調子 Mystery Fire なので、正直なところ意味不明です。
話を戻すと、基本的にトップは投稿された写真を閲覧するための場所で、ソーシャルメディアにはありがちなフォローやフォロワーのカウンターもありませんし(カウンターはプロフィールページにある)、投稿ボタンもページトップのリボン部に収まっています。そのため、右カラムのスポットライト写真やフォローサジェストがよく目立ち、太い動線を形成していると言えましょう。
このスポットライトは、後述する受賞ラベルとの相乗効果で、単なる運営ピックアップより大きな意味を持つように感じます。

こちらがアカウントの被閲覧状況などを示すステータス画面ですが、興味深いの受賞ラベルとフィードバックの項目です。まず受賞ラベルですが、ご覧の通り撮影した国の数だの獲得ファボの総数だのでラベル表示が解除されるという、なんだかソシャゲみたいなギミックです。
次に下部のフィードバックグラフは、投稿画像の構成やクリエイティビティなどを他のアカウントが評価できるので、それらの平均値がどのように推移したかを表示しています。こういうのはダミーアカウントによる評価偽装や、反対に低評価ラッシュ、粘着などへの対策が重要なのですけど、現段階では解明できていません。

これはステータス画面を下にスクロールすると表示される全画像の総閲覧数グラフですが、アカウント開設直後には多かったのが、急速に減っています。これはふたつの要因があり、ひとつはアカウント開設時のチュートリアル的なギミックで画像5カットを2回、計10カットをアップできることです。新着画像は閲覧数が伸びるため、それが10カットもあれば、それなりの数を期待できます。
しかし、アカウント開設時にアップロードしたあとは12時間毎に1エントリしかアップできなくなるため、必然的に閲覧数は減少します。なぜならYouPicで表示されるのはタイムラインに表示されるフォロワーの投稿と運営のスポットライトが基本で、その他は個別のプロフィールページへ遷移するか、あるいは検索しないと表示されないでしょう。つまり、ソーシャルなどで告知する、あるいはダイレクトリンクをばらまくかしない限り、過去投稿画像は基本的に閲覧されないのです。
こうして考えると、運営ピックアップはかなり大きな意味を持っています。最初に紹介したひらぱ~氏のnote記事でも「注目するわ」と勧誘されたようで、それはこのピックアップを示しているのではないかと思います。自分もアカウント開設直後に3回ほど続けてピックアップされ、なにごとかと思っていたらそれっきりという流れでした。それが閲覧数にもあらわれています。

これは検索画面のトップですが、左上の星印は運営ピックアップのマークです。ピックアップされると検索でも上位に表示されることがわかります。正直なところ、ファボを稼ごうと思ったらピックアップされないと話になりません。

次に投稿ですが、画像の他に動画や記事も投稿できます。ただし、無課金では12時間毎に1エントリしか投稿できず、画素数や時間、文字数なども制限されます。
興味深いのは、投稿時に以下のようなダイアログが表示され、検索性を高めるよう促されることです。

Tip: We have noticed that the resolution of your photo is low. If you upload with a higher resolution, you increase the possibility for exposure and good feedback!

そして各項目を埋めていくと「発見されやすさ(Discoverability &&%)」なるパーセンテージ値が上昇するので、当然ながら100%を目指すように促されるわけです。

まとめ

 今回は特に触れませんでしたが、写真技術に関する教育プログラムがあったり(下の画像)、有料会員限定ですが写真家を紹介、斡旋する機能も備えていたりと、なかなか興味深いサービスを展開するYouPicですが、肝心のフォトギャラリ機能がいささか弱いと言うか、フォロワーが写真もタイムラインで流れてくるばかりなので、多くの写真を一気に楽しむ事は困難です。その意味でソーシャルメディア的と言うか、コメントなどのやり取りを楽しむことに力点が置かれているのかもしれません。もちろん、英語などでやり取りができれば、の話ですが。
ともあれ、興味深いサービスではあります。既に数年の運用実績もあり、世界的に著名な写真家もアカウントを開設しているので、相性が良さそうなら腰を据えて楽しめるサービスではないかと思います。

八雲 YAKUMO 25mm f0.95 C-mount 旧型

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マイクロフォーサーズのPEN-FにCマウントアダプタを介して八雲YMV2595を装着、撮影しました。

監視カメラ(CCTV)用のCマウントレンズ、八雲YMV2595(M-2595C)を試しました。まず、監視カメラについてはWikipediaの解説「監視カメラ」と、ユニエル電子CCTVカメラ入門講座を参照してください。
近年、特に中国における監視カメラ需要の著しい高まりを受け、驚くほど大量のCCTVレンズが市場に出回っています。この八雲YMV2595もNavitarなど異なるブランドで数多く出回っており、新品がネットショップで販売されている他、国内や海外のオークションでもよく見かけます。
監視カメラ需要が中国で高まっている原因については、なかなかきな臭い背景もあるのですが、ここでは言及しないでおきます。

資料などによると、現行品は鏡胴マウント端のすぼまりがなくなってほぼ円柱形となっているほか、光学系も変更されたYMV2595Nとのことです。そして、鏡胴デザインの変更により大半のCマウントアダプタとマウント端側が干渉するようになったため、使えなくなってしまったようです(アダプタによっては凹み部が広く、装着可能なものもあるそうです)。

さて、本題の八雲YMV2595ですが、このレンズは旧型のようです。

ご覧のとおり、マウント端がすぼまっているため、問題なくアダプタに装着できました。
鏡胴の前半分はビルトインフードになっていて、その外側はアタッチメントリングになっています。このアタッチメントリングは、ひねると簡単に外れました。このレンズは、そのアタッチメントリングに25mm F0.95とだけ刻印されていましたが、個体によってはNavitarなどのブランド名が記されているものもあります。おそらくOEM生産時のブランド分けをしやすくするための工夫かと思われますが、なかなか興味深い仕組みです。
アタッチメントリングは40.5mmのねじ切りとなっているため、フィルターやフードも簡単に取り付けられます。ただし、先述のようにビルトインフードがあるため、たいていの外付けフードはけられます。それどころか、フィルターも枠が厚いものはけられる可能性があるため、活用する機会は少ないでしょう。
絞り羽は8枚で星型とまでは行きませんが、やや波打った変形絞りです。最小絞りはf16で、クリックレスの無断階です。
最短撮影距離は50cmなので短くはありませんが、長いと文句をいうほどでもないでしょう。
その他のスペックについては不明点が多いので、また別の機会に調べてみようかと思います。

このレンズは1インチ素子用なので、マイクロフォーサーズでもイメージサークルは不足します。冒頭の作例でも四隅がはっきりケラレています(特に下の画像)。
もちろん1インチ素子のニコン1なら全く問題はありませんが、生産が終わっている上に電子チップ付アダプタを調達しないとフルマニュアル操作になってISO可変も効かなくなるので、なかなか悩ましいところです。この後に1インチ素子のニコン1V1で撮影した画像を掲載したので、見比べてください。

描写は素直というか現代的というか、合焦部はキリッとシャープです。アンジェニューのような凄まじいゴーストやフレアはありませんが、それでも多少フレアがかったようなにじみが見受けられることもあります。
ボケはぐるぐる傾向があり、点光源の描写も微妙ですが、厄介というほどではなさそうです。

旧型は数が少なくなってきたと言え、まだまだ気軽に見つかります。そのためか、アンジェニューを始めとして高騰した25mmのf0.95レンズとしては最安値に近く、開放1アンダーの世界を手軽に楽しめる1本だと思います。

カムラン Kamlan KL50mm F1.1

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マイクロフォーサーズマウントでフルサイズ換算だと100mmの中望遠レンズとなる「KL50mm F1.1」を試しました。
代理店を通じた国内販売が始まり、カメラショップなどでも気軽に買えるようになった「カムラン」ブランドのレンズで、以前に取り上げた「Kamlan KL28mm F1.4」のシリーズです。

代理店アストロ&バードウォッチング機材専門店「シュミット」の「Kamlan KL50mm F1.1」販売ページ。

代理店の販売サイトでもアピールされているように、大口径レンズとは思えないほどコンパクトです。ただ、フードはかっこいいのですが中望遠レンズには浅すぎ、内部に反射防止用の加工がまったくないことも含めて、気休め程度としか言えません。
このへんは値段なりということでしょう。
深さの点では「KL28mm F1.4」の深いフードが適しているのでしょうけど、どちらもバヨネットマウントの加工が甘く、妙に渋かったり緩かったりします。

幸いにもアタッチメント径が52mmなので、汎用フードでも中古でも選び放題ですから、気になる向きは手元のフードと入れ替えたほうが良いでしょう。

大口径レンズなのにコンパクトなのは5群5枚というレンズ構成によるもので、メーカーサイトの「KL50mm F1.1」解説をご覧になれば一目瞭然、かのルードヴィッヒ・ベルテレがA.クルーグハルトとともに開発し、当時は世界を代表する明るいレンズだったエルノスターの流れをくんでいるというか、まぁ現代版といったところです。
エルノスターは中望遠レンズに適したレンズ構成とされており、それをモダンテイストにアレンジするという着眼点はなかなか興味深いところです。ただ、高折射率鏡片(おそらく、異常分散ガラスでしょう)を2枚使ってもなお、エルノスターの欠点とされる収差の解消は難しかったようで、写りはずいぶん個性的なレンズです。また、これも「KL28mm F1.4」と同様にメーカーサイトではMTFチャートを掲載しているので、お好きな方は読み取ってみてください。
絞り羽根も「KL28mm F1.4」と同様に11枚で、クリックレスの不等間隔で「f11」の表示がないところも同じです。

肝心の写りですが、古典的な設計だけあって描写も古風というか味わい深いというか、グルグルボケに渋い色合いは好みがきっぱり割れそうですね。しかも、ポスプロで修正しにくい描写傾向でもあるところを考えると、現代風に仕上げるのはかなり厳しいでしょうね。
この辺はメーカさんも意識していたようで、すでに本国では「KAMLAN KL50MM F1.1 Ⅱ」なる新型が発売されているようです。スペックをみる限りでは6群8枚という構成だそうで、ふつ~にダブルガウスというかプラナーベースのレンズではないかなと推測します。またMTFなどから、描写も現代的で万人受けしそうな感じですから、できれば併売し続けてほしいところですね。

以下、作例(すべて開放)
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星玄人写真展「St.photo exhibition 31 東京」と須田一政写真展「煙突のある風景」

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大型連休ということで、久々に写真ギャラリーをはしごした。

最初に鑑賞したのはプレイスM須田一政写真展「煙突のある風景」で、同名の写真集が発売されることに合わせて開かれた展示のようだった。また、須田氏が亡くなられたのは今年の3月で、おそらくは生前から準備されていた展示ではあろうが、どうしてもあれこれ考えてしまう。

須田氏は十分な実績と評価を有する、戦後日本を代表する写真作家のひとりと言っても良さそうな人物である。もちろん、展示作品もその評価に恥じぬ質の高さで、作家自身の熱量と写真作家という存在に対する社会の目線が幸福なカタチで交錯したつかの間のひとときが、丁寧にプリントされていた。

正方形の6×6空間に収められた風景は、ただ当時の写真的な良さ、美しさ、同時代のいきいきした眼差しを銀塩に焼き付けただけのはずだが、時間という隔たりの彼方から眺めると、そこにはどうしても幾ばくかの郷愁、あるいは異界感が漂ってしまうのは避けられそうになかった。だから、撮影地と年代を記した展示の方法については、かすかなため息というか「仕方のないこととは言ってもなんとかならなかったものか」という心情を覚えてしまう。
もちろん、作家没後の展示であり、そこには限界があることも理解しているつもりではあるが……。

次に鑑賞したのはサードディストリクトギャラリー星玄人写真展「St.photo exhibition 31 東京」で、ナンバリングにも表れているようにこのテーマで31回めの展示となる。星氏は平成日本で最も活動的なストリートフォトグラファーのひとりだが、最近では海外からも注目されているようだ。

展示作品は夜の新宿を撮影したストリートフォトグラフィーだが、かれこれ十数年に渡って取り組んできたテーマだけあって、そこにはひとつの作家的美学のようなものが構築されている。ただ、その中にもある程度のゆらぎというか、変化し続けている部分はある。今回の展示ではわりかしはっきりと変化を志向した感があり、それはたまたま立ち話をさせていただいた作家氏自身の言葉によっても裏付けられた。

須田氏と星氏という、新宿を拠点に活動した新旧ふたりの作家と作品を同時に鑑賞できる機会は貴重なので、ぜひとも会場へ足を運んでほしい。

カムラン Kamlan KL28mm F1.4

代理店を通じた国内販売が始まり、カメラショップなどでも気軽に買えるようになった「カムラン」ブランドのレンズです。
ここでは、マイクロフォーサーズマウント「Kamlan KL28mm F1.4」を試しました。

代理店アストロ&バードウォッチング機材専門店「シュミット」の「Kamlan KL28mm F1.4」販売ページ。

代理店さんの表記に異を唱えるつもりはないのですが、紹介文で「最短撮影距離25cmとなっており、広角を生かした風景撮影以外にもあらゆるシーンに対応できます」とあるのはいささか疑問だったりします。というのも、フルサイズ換算だとAPS-Cマウントで42mmもしくは、マイクロフォーサーズマウントの56mmとなるのですから、やはり標準レンズと記載すべきだったように思います。

カメラ販売やレビューサイトでも言及されているように、鏡胴は長めでフードもやたらと深いです。また、フードはアマゾンのレビューで酷評されていたようにバヨネットマウントの加工が甘く、妙に渋かったり緩かったりします。内部に反射防止用の加工がまったくないことも含め、このへんは値段なりということでしょう。

鏡胴が妙に長いのは7群8枚というレンズ構成によるもので、メーカーサイトの「KL28mm F1.4」解説によれば、高折射率鏡片(おそらく、異常分散ガラスでしょう)を6枚も使っているのですから、ずいぶん贅沢なレンズですね。また、メーカーサイトにはMTFチャートも掲載されているので、お好きな方は読み取ってみてください。

これは、ほぼ正面の画像ですが、大口径レンズの割に前玉が小さいのもまた、前述の高折射率鏡片を用いた7群8枚というレンズ構成によるものと思われます。構成図を見る限り、わりかし現代的な設計のように思われます。ただ絞り羽根は11枚で、クリックレスの不等間隔というところは、なんとも古風な造りです。
クリックレスなのは、動画撮影も視野に入れているのかもしれませんが、その割にはトルクが重めのうえ「f11」の表示がありません。不等間隔絞りは、絞るに従って間隔が狭まるので、印字スペースが無かったためかと思われます
ところが、マウント部のカムランロゴは、レンズを装着時に真上に来るよう印字されており、デザイン的なポイントと同時に指標代わりともなります。このあたり、ロシアレンズ的なおおらかさと、現代風のセンスがマッチすること無く同居しているようで、非常に興味深いです。

付属のレンズキャップはセンターつまみのスプリング式で、バッグ内でも視認しやすい明るめの灰色です。簡体中国語の保証書と、クリーニングクロスが付属しています。

リアキャップもオリジナルデザインの明るい灰色で、しっかりした作りの箱といい、フード以外の付属品は割とよくできているように思います。

以下、作例(すべて開放)
PenF_325
PenF_323
PenF_312

肝心の写りは現代的で万人受けしそうな感じですが、マイクロフォーサーズマウントには高性能で廉価なAFレンズがいくつかあり、わざわざ不便なフルマニュアルレンズに手を出すのもなぁというのが正直なところです。アピールポイントの最短撮影距離も、マイクロフォーサーズの標準レンズはだいたい25cmくらいまで寄れるので、特に優れているということもなさそうです。
ただ、マイクロフォーサーズは被写界深度も深くなりやすいので、このレンズもf8まで絞るとほぼパンフォーカスとなります。そのため、マニュアルフォーカスであれば特に設定も変更せずパチパチ取れるというメリットが無くはないのですけど、少なくともこのレンズに固有の利点や特徴ではありませんね。

とまぁ、いささか厳しい評価となってしまいましたが、フジやキヤノン、ソニーなどのAPS-Cミラーレスカメラには現段階で対抗馬となるレンズはなく、そこそこ需要があるかもしれません。特にフジマウントはラインナップの隙間を埋める存在なので、もっと肯定的に評価されるであろうと思います。

ニコン F マウント マイクロフォーサーズ マウントアダプタ(ELEFOTO)

ELEFOTO(エレフォト)製のニコンマウント(Fマウント)レンズアダプタマイクロフォーサーズボディ用を購入しました。これは旧版で、現行品はレンズマウント側の縁部やリリースノブにローレット加工が施された他、ロゴなどもプリントへ変更されているようです。

アダプタそのものを説明する前に、まず「ニコンマウント」についてごく簡単に説明します。ニコンの一眼レフカメラは(ミラーレスカメラやレンジファインダーカメラは一眼レフカメラと異なります)、銀塩カメラもデジタルカメラもNikon Fマウント(ニコン公式表記)を採用しています。このFマウントは新旧各機種の間で「多くの互換性がある」ため、いちおうひとつのマウントとされています。とはいえ、長年に渡るカメラの発展や多機能化に伴って様々な改良が加えられた結果、物理的にレンズが装着できたとしてもボディ側の機能が大きく制限されたり、あるいはそもそも物理的にレンズが装着できない組み合わせも発生しました。
詳しくはこちらのサイトをご覧ください。かなり複雑な有様であることが、よくご理解いただけると思います。

決定版(?) ニコンFマウント解説 (By キンタロウ)

さて、このアダプタにおけるニコンマウントとは、いったいどの時期のどのようなマウントなのかという問題ですが、それはニコンFが採用していた最初期のFマウントでした。つまり、マウントにカメラボディとの物理的、電気的な情報交換部はありません(当初のFマウントはレンズ鏡胴に露出計との接続爪を備えていました)。
そのため、このアダプタそのものも単なる金属のリングで、可動部もレンズマウントのストッパがあるだけです。また、情報交換部を持たないがゆえに、絞り環をもたないGタイプレンズを装着した場合は、常に開放となってしまいます(ただし、これとは別に機械的な連結機能を備え、絞りを制御できるアダプタも市販されています)。

このように、仕組みとしてはシンプルなので、製品の質を左右するのは剛性や可動部の滑らかさ、加工精度となります。その点、このアダプタは非常にしっかり作られており、レンズやボディとの着脱も気持ちいいほどがっちり、かつスムーズです。
あえて難点をあげるなら、全体にツルッとなめらかなので、いささか力を入れにくく感じることもあるか、ないかと言ったところです。ただ、それも現行バージョンではローレット加工などが施されておることから、ある程度は改善されているようです。

マイクロフォーサーズ規格ですと、素子サイズの関係からレンズの実効焦点距離が2倍となってしまうため、銀塩時代やフルサイズセンサー用のレンズは使いにくく感じるところがあるかもしれません。しかし、考えようによっては標準から中望遠域のレンズが軽量小型の望遠レンズとして使えるので、機材をコンパクトに収められるかもしれません。しかも、レンズの開放値は変わらないので、手軽に大口径望遠レンズを楽しめるとも言えます。

 

Cマウント マイクロフォーサーズ マウントアダプタ

中国製のCマウントレンズアダプタ、マイクロフォーサーズボディ用を購入しました。

Cマウントとはねじ込み式レンズマウントのひとつで、映画用16ミリカメラの標準マウントでもありました。スチルカメラの採用例はごくわずかですが、拳銃型写真機として有名な「ドリュー 2-16」はそのひとつです。

ドリュー 2-16(産業技術史資料データベース)
Doryu 2-16(Camera wiki)

Cマウントの由来は、ベル・ハウエル社(Bell & Howell)のレンズマウント規格です(出典 C-mount)。同社は別にAとBマウントを開発していたことから、3種類目3番目)のマウントとしてCマウントと名付けたようです。
ベル・ハウエルはアメリカを代表するシネカメラのメーカーで、フィルモ(参考 ウィキペディア フィルモ)と名付けられた同社のシネカメラは、第2次世界大戦前から戦後にかけて西側報道用シネカメラの標準となるほどヒットしました。
また、同社のCマウントもフランスのボリューやスイスのボレックスなど、様々なシネカメラに採用され、事実上16ミリシネカメラの標準マウントとなりました。
このような背景から、現在でも16ミリシネカメラはもちろん、
防犯カメラや工業用カメラなどのCCTV規格がCマウントとなっており、さらには一部の顕微鏡にも採用されています。

Cマウントそのものは単なるねじ込み式で、ストッパやカメラボディとの物理的、電気的な情報交換部を持ちません。マウントの詳細については、浅沼商会の光学豆知識「第1回 Cマウントレンズと、CSマウントレンズ編」を参照してください。

さて、基本はねじ込み式ですから、アダプタもこのようにシンプルです。そのため、最近ではマイクロフォーサーズ用のアダプタが安価に販売されており、特に中国製のアダプタはびっくりするくらい安く流通しています。
ところが、安かろう悪かろうではありませんが、中国製のアダプタにはいくつかの問題がありました。
自分は並行輸入している知人から購入したのですが、まずボディに装着できないものがあるので、全量チェックしているとのことでした。さらに、中には無限が出ないものも含まれているそうで、出荷可能な状態のものはかなり少ないということです。
また、無事に装着できて無限が出るものでも大半はオーバーインフ、つまり無限遠よりも奥まったところまで「ねじ込めてしまう」そうです。もちろん、使えないよりはるかの良いのですが、これは固定焦点の16mm映画カメラ用アンジェニュー10mm/f1.8を使うときに、大きな問題となりました。

最後に、並行輸入している知人からいただいた画像ですけど、注文した通りの商品が届くほうが少ないそうで、このときは注文した10個のうちCマウント用は2つだけ、残りはM42マウントレンズ用のニコンマウントアダプタだったそうです。
当人は「マイクロフォーサーズ(M4/3)とM42で間違えたんだろうね」と笑っていましたが、これじゃ小遣い稼ぎにもならないよなぁと思いました。