三丁目の写真展《巣鴨三丁目編》

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Gallery Conceal渋谷にて開催中の三丁目の写真展《巣鴨三丁目編》を鑑賞しました。展示解説には「数ある三丁目の中からひとつの街を撮影地として、自由に写真表現を行うグループ写真展です」とあるが、率直なところなにがどう三丁目なのか、いまひとつ伝わらないものがありました。
また、展示全体として巣鴨という土地が持つ強烈なイメージを持て余しているようなところもあり、間合いのとり方は難しいところがあるとはいえ、もう少し積極的でも悪くはなかったのではないかという感を覚えなかったといえば、それは嘘になってしまいます。

ただ、ランニングシャツに半パン、虫取り網という出で立ちの男性を撮影した作品は、和紙プリントの甘さとキャラクタとのミスマッチや、巣鴨という場所が持つイメージをうまく取り込もうとした積極性が好ましく、なかなかみごたえがありました。また、壁面の大判プリントとは別にフォトブックを用意し、相補的な意味をもたせたことにも感心させられました。あえて難点を言えば、大判プリントにややノイジーな粒子感やプリントラインが残存していたことで、そのへんを解決すればより主題が明確になったと思います。

その他にもGallery Conceal渋谷では興味深い展示が開かれているので、お時間のある方はぜひ足を運んでください。
会期は今週末までです。

薈田純一写真展:新・小説のふるさと

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かねてより「書棚」をテーマに作品制作されていた薈田純一氏が、今度は小説を題材とした写真連作に挑戦されていました。月刊誌『中央公論』に不定期連載されていたそのシリーズは完結していますが、リコーイメージングスクエア新宿にて「新・小説のふるさと」と題する作品展が開かれることとなったので、秋雨がおさまった頃合いを見計らってでかけました。

展示内容などは、リンク先のギャラリー紹介ページをご覧いただくとして、自分が興味深く感じたのは題材となる小説と写真作品との距離感であり、また会場のインスタレーションでした。題材との距離感については、ギャラリー紹介ページの作家コメントでもしっかり言及されていますが、なるほど「翻訳」とは言い得て妙だなと感心させられました。

さて、小説を写真へ「翻訳」した作品の展示ですが、ほぼ文庫本サイズにプリントされた可愛らしい写真が、本箱を思わせるフレームに収められた、なんとも詩的なインスタレーションです。主題となった小説とそのあらすじの後に作品が連なっていますが、特に連続性があるというものではなく、それぞれが独立していながらも緩やかにつながっているような写真です。
そして、当然ながらすべての作品は「主題となった小説を深く読み込み、その上で背景となった風景や品々から触発された」もので、読者ならくすぐられる物もありそうです。ただ、そのくすぐられる感じは決して文芸マニアの内輪ノリめいた閉ざされたものではなく、小説と深いところでしっかり結びついていながらも、作品として開かれた、未読の鑑賞者であっても楽しみ、小説を想像する楽しみをもたらす力を備えています。
それは、写真家自身が小説を愛し、また作家への敬意が反映されているからかもしれません。

とてもおすすめの展示です。ぜひ、会場まで足を運んでください。