八雲 YAKUMO 25mm f0.95 C-mount 旧型

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マイクロフォーサーズのPEN-FにCマウントアダプタを介して八雲YMV2595を装着、撮影しました。

監視カメラ(CCTV)用のCマウントレンズ、八雲YMV2595(M-2595C)を試しました。まず、監視カメラについてはWikipediaの解説「監視カメラ」と、ユニエル電子CCTVカメラ入門講座を参照してください。
近年、特に中国における監視カメラ需要の著しい高まりを受け、驚くほど大量のCCTVレンズが市場に出回っています。この八雲YMV2595もNavitarなど異なるブランドで数多く出回っており、新品がネットショップで販売されている他、国内や海外のオークションでもよく見かけます。
監視カメラ需要が中国で高まっている原因については、なかなかきな臭い背景もあるのですが、ここでは言及しないでおきます。

資料などによると、現行品は鏡胴マウント端のすぼまりがなくなってほぼ円柱形となっているほか、光学系も変更されたYMV2595Nとのことです。そして、鏡胴デザインの変更により大半のCマウントアダプタとマウント端側が干渉するようになったため、使えなくなってしまったようです(アダプタによっては凹み部が広く、装着可能なものもあるそうです)。

さて、本題の八雲YMV2595ですが、このレンズは旧型のようです。

ご覧のとおり、マウント端がすぼまっているため、問題なくアダプタに装着できました。
鏡胴の前半分はビルトインフードになっていて、その外側はアタッチメントリングになっています。このアタッチメントリングは、ひねると簡単に外れました。このレンズは、そのアタッチメントリングに25mm F0.95とだけ刻印されていましたが、個体によってはNavitarなどのブランド名が記されているものもあります。おそらくOEM生産時のブランド分けをしやすくするための工夫かと思われますが、なかなか興味深い仕組みです。
アタッチメントリングは40.5mmのねじ切りとなっているため、フィルターやフードも簡単に取り付けられます。ただし、先述のようにビルトインフードがあるため、たいていの外付けフードはけられます。それどころか、フィルターも枠が厚いものはけられる可能性があるため、活用する機会は少ないでしょう。
絞り羽は8枚で星型とまでは行きませんが、やや波打った変形絞りです。最小絞りはf16で、クリックレスの無断階です。
最短撮影距離は50cmなので短くはありませんが、長いと文句をいうほどでもないでしょう。
その他のスペックについては不明点が多いので、また別の機会に調べてみようかと思います。

このレンズは1インチ素子用なので、マイクロフォーサーズでもイメージサークルは不足します。冒頭の作例でも四隅がはっきりケラレています(特に下の画像)。
もちろん1インチ素子のニコン1なら全く問題はありませんが、生産が終わっている上に電子チップ付アダプタを調達しないとフルマニュアル操作になってISO可変も効かなくなるので、なかなか悩ましいところです。この後に1インチ素子のニコン1V1で撮影した画像を掲載したので、見比べてください。

描写は素直というか現代的というか、合焦部はキリッとシャープです。アンジェニューのような凄まじいゴーストやフレアはありませんが、それでも多少フレアがかったようなにじみが見受けられることもあります。
ボケはぐるぐる傾向があり、点光源の描写も微妙ですが、厄介というほどではなさそうです。

旧型は数が少なくなってきたと言え、まだまだ気軽に見つかります。そのためか、アンジェニューを始めとして高騰した25mmのf0.95レンズとしては最安値に近く、開放1アンダーの世界を手軽に楽しめる1本だと思います。

カムラン Kamlan KL50mm F1.1

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マイクロフォーサーズマウントでフルサイズ換算だと100mmの中望遠レンズとなる「KL50mm F1.1」を試しました。
代理店を通じた国内販売が始まり、カメラショップなどでも気軽に買えるようになった「カムラン」ブランドのレンズで、以前に取り上げた「Kamlan KL28mm F1.4」のシリーズです。

代理店アストロ&バードウォッチング機材専門店「シュミット」の「Kamlan KL50mm F1.1」販売ページ。

代理店の販売サイトでもアピールされているように、大口径レンズとは思えないほどコンパクトです。ただ、フードはかっこいいのですが中望遠レンズには浅すぎ、内部に反射防止用の加工がまったくないことも含めて、気休め程度としか言えません。
このへんは値段なりということでしょう。
深さの点では「KL28mm F1.4」の深いフードが適しているのでしょうけど、どちらもバヨネットマウントの加工が甘く、妙に渋かったり緩かったりします。

幸いにもアタッチメント径が52mmなので、汎用フードでも中古でも選び放題ですから、気になる向きは手元のフードと入れ替えたほうが良いでしょう。

大口径レンズなのにコンパクトなのは5群5枚というレンズ構成によるもので、メーカーサイトの「KL50mm F1.1」解説をご覧になれば一目瞭然、かのルードヴィッヒ・ベルテレがA.クルーグハルトとともに開発し、当時は世界を代表する明るいレンズだったエルノスターの流れをくんでいるというか、まぁ現代版といったところです。
エルノスターは中望遠レンズに適したレンズ構成とされており、それをモダンテイストにアレンジするという着眼点はなかなか興味深いところです。ただ、高折射率鏡片(おそらく、異常分散ガラスでしょう)を2枚使ってもなお、エルノスターの欠点とされる収差の解消は難しかったようで、写りはずいぶん個性的なレンズです。また、これも「KL28mm F1.4」と同様にメーカーサイトではMTFチャートを掲載しているので、お好きな方は読み取ってみてください。
絞り羽根も「KL28mm F1.4」と同様に11枚で、クリックレスの不等間隔で「f11」の表示がないところも同じです。

肝心の写りですが、古典的な設計だけあって描写も古風というか味わい深いというか、グルグルボケに渋い色合いは好みがきっぱり割れそうですね。しかも、ポスプロで修正しにくい描写傾向でもあるところを考えると、現代風に仕上げるのはかなり厳しいでしょうね。
この辺はメーカさんも意識していたようで、すでに本国では「KAMLAN KL50MM F1.1 Ⅱ」なる新型が発売されているようです。スペックをみる限りでは6群8枚という構成だそうで、ふつ~にダブルガウスというかプラナーベースのレンズではないかなと推測します。またMTFなどから、描写も現代的で万人受けしそうな感じですから、できれば併売し続けてほしいところですね。

以下、作例(すべて開放)
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星玄人写真展「St.photo exhibition 31 東京」と須田一政写真展「煙突のある風景」

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大型連休ということで、久々に写真ギャラリーをはしごした。

最初に鑑賞したのはプレイスM須田一政写真展「煙突のある風景」で、同名の写真集が発売されることに合わせて開かれた展示のようだった。また、須田氏が亡くなられたのは今年の3月で、おそらくは生前から準備されていた展示ではあろうが、どうしてもあれこれ考えてしまう。

須田氏は十分な実績と評価を有する、戦後日本を代表する写真作家のひとりと言っても良さそうな人物である。もちろん、展示作品もその評価に恥じぬ質の高さで、作家自身の熱量と写真作家という存在に対する社会の目線が幸福なカタチで交錯したつかの間のひとときが、丁寧にプリントされていた。

正方形の6×6空間に収められた風景は、ただ当時の写真的な良さ、美しさ、同時代のいきいきした眼差しを銀塩に焼き付けただけのはずだが、時間という隔たりの彼方から眺めると、そこにはどうしても幾ばくかの郷愁、あるいは異界感が漂ってしまうのは避けられそうになかった。だから、撮影地と年代を記した展示の方法については、かすかなため息というか「仕方のないこととは言ってもなんとかならなかったものか」という心情を覚えてしまう。
もちろん、作家没後の展示であり、そこには限界があることも理解しているつもりではあるが……。

次に鑑賞したのはサードディストリクトギャラリー星玄人写真展「St.photo exhibition 31 東京」で、ナンバリングにも表れているようにこのテーマで31回めの展示となる。星氏は平成日本で最も活動的なストリートフォトグラファーのひとりだが、最近では海外からも注目されているようだ。

展示作品は夜の新宿を撮影したストリートフォトグラフィーだが、かれこれ十数年に渡って取り組んできたテーマだけあって、そこにはひとつの作家的美学のようなものが構築されている。ただ、その中にもある程度のゆらぎというか、変化し続けている部分はある。今回の展示ではわりかしはっきりと変化を志向した感があり、それはたまたま立ち話をさせていただいた作家氏自身の言葉によっても裏付けられた。

須田氏と星氏という、新宿を拠点に活動した新旧ふたりの作家と作品を同時に鑑賞できる機会は貴重なので、ぜひとも会場へ足を運んでほしい。

カムラン Kamlan KL28mm F1.4

代理店を通じた国内販売が始まり、カメラショップなどでも気軽に買えるようになった「カムラン」ブランドのレンズです。
ここでは、マイクロフォーサーズマウント「Kamlan KL28mm F1.4」を試しました。

代理店アストロ&バードウォッチング機材専門店「シュミット」の「Kamlan KL28mm F1.4」販売ページ。

代理店さんの表記に異を唱えるつもりはないのですが、紹介文で「最短撮影距離25cmとなっており、広角を生かした風景撮影以外にもあらゆるシーンに対応できます」とあるのはいささか疑問だったりします。というのも、フルサイズ換算だとAPS-Cマウントで42mmもしくは、マイクロフォーサーズマウントの56mmとなるのですから、やはり標準レンズと記載すべきだったように思います。

カメラ販売やレビューサイトでも言及されているように、鏡胴は長めでフードもやたらと深いです。また、フードはアマゾンのレビューで酷評されていたようにバヨネットマウントの加工が甘く、妙に渋かったり緩かったりします。内部に反射防止用の加工がまったくないことも含め、このへんは値段なりということでしょう。

鏡胴が妙に長いのは7群8枚というレンズ構成によるもので、メーカーサイトの「KL28mm F1.4」解説によれば、高折射率鏡片(おそらく、異常分散ガラスでしょう)を6枚も使っているのですから、ずいぶん贅沢なレンズですね。また、メーカーサイトにはMTFチャートも掲載されているので、お好きな方は読み取ってみてください。

これは、ほぼ正面の画像ですが、大口径レンズの割に前玉が小さいのもまた、前述の高折射率鏡片を用いた7群8枚というレンズ構成によるものと思われます。構成図を見る限り、わりかし現代的な設計のように思われます。ただ絞り羽根は11枚で、クリックレスの不等間隔というところは、なんとも古風な造りです。
クリックレスなのは、動画撮影も視野に入れているのかもしれませんが、その割にはトルクが重めのうえ「f11」の表示がありません。不等間隔絞りは、絞るに従って間隔が狭まるので、印字スペースが無かったためかと思われます
ところが、マウント部のカムランロゴは、レンズを装着時に真上に来るよう印字されており、デザイン的なポイントと同時に指標代わりともなります。このあたり、ロシアレンズ的なおおらかさと、現代風のセンスがマッチすること無く同居しているようで、非常に興味深いです。

付属のレンズキャップはセンターつまみのスプリング式で、バッグ内でも視認しやすい明るめの灰色です。簡体中国語の保証書と、クリーニングクロスが付属しています。

リアキャップもオリジナルデザインの明るい灰色で、しっかりした作りの箱といい、フード以外の付属品は割とよくできているように思います。

以下、作例(すべて開放)
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肝心の写りは現代的で万人受けしそうな感じですが、マイクロフォーサーズマウントには高性能で廉価なAFレンズがいくつかあり、わざわざ不便なフルマニュアルレンズに手を出すのもなぁというのが正直なところです。アピールポイントの最短撮影距離も、マイクロフォーサーズの標準レンズはだいたい25cmくらいまで寄れるので、特に優れているということもなさそうです。
ただ、マイクロフォーサーズは被写界深度も深くなりやすいので、このレンズもf8まで絞るとほぼパンフォーカスとなります。そのため、マニュアルフォーカスであれば特に設定も変更せずパチパチ取れるというメリットが無くはないのですけど、少なくともこのレンズに固有の利点や特徴ではありませんね。

とまぁ、いささか厳しい評価となってしまいましたが、フジやキヤノン、ソニーなどのAPS-Cミラーレスカメラには現段階で対抗馬となるレンズはなく、そこそこ需要があるかもしれません。特にフジマウントはラインナップの隙間を埋める存在なので、もっと肯定的に評価されるであろうと思います。