ライカRマウント マイクロフォーサーズ マウントアダプタ(中国製)

中国製のライカRマウント(ライカフレックスマウント)レンズアダプタマイクロフォーサーズボディ用を購入しました。

アダプタそのものを説明する前に、まずライカRマウント(ライカフレックスマウント)についてごく簡単に説明します。ライカの銀塩一眼レフカメラは(ミラーレスカメラやレンジファインダーカメラは一眼レフカメラと異なります)、ライカR(ライカフレックス)を採用しています。このマウントはライカフレックス用に開発され多少の改良を経て、ライカRシステムへ引き継がれました。ライカRシステムでも大きな変更が加わった結果、物理的に装着不能な組み合わせも存在しますが、それでも「多くの互換性がある」ため、いちおうひとつのマウントとされています。

詳しくはこちらのサイトをご覧ください。かなり複雑な有様であることが、よくご理解いただけると思います。

ライカRレンズの攻略方法

さて、このアダプタにおけるライカRマウントとは、いったいどの時期のどのようなマウントなのかという問題ですが、それはライカフレックスが採用していた最初期のマウントから連動カムを取り除いたようなものでした。つまり、マウントにカメラボディとの物理的、電気的な情報交換部はありません。
要するに、このアダプタは単なる金属のリングで、可動部もレンズマウントのストッパがあるだけです。また、ライカフレックスには装着できないRおよびROMタイプレンズについては、確認できませんでした(おそらく装着不能と思います)。

このように、仕組みとしてはシンプルなので、製品の質を左右するのは剛性や可動部の滑らかさ、加工精度となります。その点、このアダプタは中国製らしいつくりで、ボディとの着脱はがっちりしていますが、レンズ側には多少のカタツキが感じられました。
ただ、他社のもっと高価で精度も高そうなアダプターでも多少のカタツキが感じられたので、もしかしたらマウントの構造的な問題か、あるいはレンズ種別との相性問題かもしれません。
マイクロフォーサーズ規格ですと、素子サイズの関係からレンズの実効焦点距離が2倍となってしまうため、銀塩時代やフルサイズセンサー用のレンズは使いにくく感じるところがあるかもしれません。しかし、考えようによっては標準から中望遠域のレンズが軽量小型の望遠レンズとして使えるので、機材をコンパクトに収められるかもしれません。しかも、レンズの開放値は変わらないので、手軽に大口径望遠レンズを楽しめるとも言えます。

ベガ Vega-7 C-mount Вега-7Э 20mm f2.0 Cマウント

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素子サイズが1インチで16ミリ映画用レンズの撮影に適しているニコン1に、マウントアダプタを介してソビエトのCマウントシネレンズ、ベガ(20mm/f2.0)を装着、撮影しました。

このベガ(Vega-7/Вега-7Э)にはCマウントとは別に、キエフ16U(Kiev-16U/Киев-16У)カメラ用にスピゴットマウントとなった(Vega-7/Вега-7)が存在しています。光学系は同一ですが、鏡胴は全く異なります。
スピゴットマウントバージョンはかなり薄く、またCマウントバージョンのフィルター径が35.5mmなのに対して、スピゴットマウントバージョンは52mmとかなり太く、外観からの識別は容易です。またCマウントバージョンは、名称の末尾にЭが付与されていますが、ローマンアルファベットには相当する文字がないため、しばしばベガ73と表記されています。

またソビエトレンズの例にもれず、このベガもコピーの噂があり、具体的にはツァイスのテヴィドン(Tevidon)やチェコのメオプタ社(Meopta)が開発したオペナー(Openar)がベースになっているとされています。いちおう、メオプタのオペナーは20mm/f1.8でスペックが近く、フードが組み込まれた外観は似ていますが、画像のボケ味や色味など描写傾向はあまり似ていません。ツァイスのテヴィドンはスペックも外観も異なっており、画像もあまり似ていません。興味深いことに、テヴィドンとオペナーはボケ味や色味も近いようで、このふたつは似た傾向があるように感じます。
いずれにせよ、レンズの群構成や開発経緯を確認しないと、根拠のない噂としか言いようがないですね。

ソ連時代のレンズには驚くほど大量に生産されたものがいくつかありますけど、このベガもそのひとつのようです。しかも、ソ連解体後のデジタル化に伴って16ミリシネカメラが大量に放出されたため、数年前までは呆れるような価格で投げ売りされていました。その傾向はマイクロフォーサーズカメラなどでのCマウント再評価が始まってもさほど変わらなかったのですが、流石に在庫が底をついたのか、この数年は中国製のCマウントレンズより多少高値で取引されているようです。

さて、本題のベガ(20mm/f2.0)ですが、このレンズは以下のような4群5枚構成とのことです。

構成図

絞り羽根は6枚ですが、やや変わった形をしています。絞ると星型ボケのインダスター61L/3-MS(Индустар-61 Л/З-МС)とにたような形となりますが、星型ボケは確認できませんでした。
鏡胴の前半分はビルトインフードになっていて、その外側は絞り環になっています。絞りはクリックレスで、最小値は16です。このレンズはフィルター径が35.5ミリとやや特殊なので、日本だとレンズキャップやフィルターの入手に苦労するかもしれません。ただ、ソビエトレンズおなじみのケースやフィルタと言ったアクセサリがセットで売られていることも多いので、買うときに注意すればそれほど困らないのではないかと思います。
とは言え、先述のようにビルトインフードがあるため、たいていの外付けフードはけられます。それどころか、フィルターも枠が厚いものはけられる可能性があるため、活用する機会は少ないでしょう。
最短撮影距離は40cmなので長くはありませんが、短いと誇るほどでもないでしょう。

このレンズは16ミリシネ用なので、マイクロフォーサーズでもイメージサークルは不足します。下の画像をご覧いただければ一目瞭然ですが、かなりはっきりと丸くけられています。

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もちろん1インチ素子のニコン1なら全く問題はありませんが、生産が終わっている上に電子チップ付アダプタを調達しないとフルマニュアル操作になってISO可変も効かなくなるので、なかなか悩ましいところです。トップには1インチ素子のニコン1V1で撮影した画像を掲載したので、参考にしてください。

描写は懐かしいというかフィルム的というか、特にニコン1ではぼってりとリッチな雰囲気です。また、点光源や逆光時のゴーストやフレアは凄まじく、半逆光でも多少フレアがかったようなにじみが見受けられます。

ボケはぐるぐる傾向があり、背景を整理しないとうるさく感じますが、この辺は味わいと取る人もいるでしょう。

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多少は価格も上がってきたと言え、まだまだ気軽に見つかります。ソビエトのCマウントレンズとしては最安値に近く、独特の世界を手軽に楽しめる1本だと思います。

 

 

アンジェニュー 10mm f1.8(10R21) Cマウント

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マイクロフォーサーズのPEN-FにCマウントアダプタを介してアンジェニュー10R21を装着、撮影しました。



代表的な16mm映画カメラ用のCマウントレンズ、アンジェニュー10mm/f1.8(10R21)を試しました。まず16mm映画カメラについてはWikipediaの解説「16mmフィルム」を、おおまかな背景とターレットマウント(回転式レンズマウント)への装着状況についてはナックイメージテクノロジーのサイトに掲載されているアンジェニューの歴史を参照してください(リンク先はFilm and Digital Timesが2013年10月に出した小冊子のAngénieux Historyを訳したもののようですが、なぜかAngenieux 25mm/f0.95を10mmと誤記しているので、その点は注意してください)。
先のwikiには16mmフィルムのコマサイズも解説されていますが、それはマイクロフォーサーズ規格よりもかなり小さく、さらに1インチ規格よりも一回り小さいぐらいなので、16mm映画カメラ用のCマウントレンズはイメージサークルが不足します。とはいえ、たいていのレンズには光学的な余裕があり、標準から望遠系のレンズなら四隅がケラれるていどです。

ところが、広角系のレンズはイメージサークルの余裕がほとんどないため、はるかに大きくケラれます。アンジェニュー10R21も同様で、大きくケラれてほとんど日の丸のようになってしまいます。下の画像はマイクロフォーサーズで撮影したものですが、ノートリミングだと画面の中央に丸く結像しているだけです。

また、アンジェニュー10R21は固定焦点レンズなので、絞り込んで被写界深度へ追い込まないとピントは合わせられません。いちおう、開放はf1.8なのですが、被写界深度が浅くなる上に描写も甘いので、実用的には最低でもf4まで絞らないと使いにくいし、おそらくはf8か11まで絞ることとなるでしょう。
とはいえ、ねじ込みマウントなので、微妙に緩めたり締めたりすればピント合わせも可能ですし、そういう使い方をしているユーザも多数います。もちろん、緩め過ぎれば脱落してしまうので(しかもアンジェニュー10R21は重い)、あまりおすすめできません。

そして、本来というか16mmフィルムの撮像範囲で大まかにトリミングすると、だいたい以下のような感じとなります。通常の16mmはコマサイズが縦7.49mmの横10.26mmとなり、縦横比は4:3の対角線長は12.7mmとなります。仮に35mmフルサイズ換算すると約3.4倍となるため、アンジェニュー10R21は10mmなので34mmとなります。

また16mm映画にはパーフォレーション(フィルムの送り穴)を片側のみとして、音声記録用の時期テープを省略することで撮像範囲を拡大した「スーパー16」という規格もあり、その場合はコマサイズが縦7.41mmの横12.52mmとなり、縦横比は5:3の対角線長は14.55mmとなります。仮に35mmフルサイズ換算すると約2.96倍となるため、アンジェニュー10mmの場合は30mmとなります。
この縦横比はフルHDの16:9に近いため、その比率で16mmサイズにトリミングしたのが以下の画像です。

イメージサークルは足りなくても中央部はシャープなので、このようにトリミングしてしまえば問題はありません。ただ、トリミングしてまで使う必然性を感じるかというと、それはまた別というのが正直なところです。
トリミングするとフルサイズ換算30から35mmとなりますが、それらの焦点距離には各社の優秀なレンズがいくつもあり、どうしてもそれらと比較してしまいます。作例などからもうかがえると思いますが、確かに最近のレンズにはない味わいもあるものの、その上でもなお手間を掛けて使うほどの魅力があるかというと……。

固定焦点については、速写性という利点もあるので撮影の方向性しだいというところですが、そうなるとオリンパスのフィッシュアイボディーキャップレンズが比較対象となります。ところが、価格や入手の容易さ、さらには大きさと重さもフィッシュアイボディーキャップレンズのほうが優れていて、画質についても特段の優位性はないというのが正直なところです。
ただ、絞りは可変なので開放付近の甘い描写を楽しんだり、またケラれた黒い部分をフレーム内フレームととらえて丸い画像による作画効果をねらうなど、工夫次第ではデジカメでもなにか面白いことができそうなレンズではあります。

八雲 YAKUMO 25mm f0.95 C-mount 旧型

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マイクロフォーサーズのPEN-FにCマウントアダプタを介して八雲YMV2595を装着、撮影しました。

監視カメラ(CCTV)用のCマウントレンズ、八雲YMV2595(M-2595C)を試しました。まず、監視カメラについてはWikipediaの解説「監視カメラ」と、ユニエル電子CCTVカメラ入門講座を参照してください。
近年、特に中国における監視カメラ需要の著しい高まりを受け、驚くほど大量のCCTVレンズが市場に出回っています。この八雲YMV2595もNavitarなど異なるブランドで数多く出回っており、新品がネットショップで販売されている他、国内や海外のオークションでもよく見かけます。
監視カメラ需要が中国で高まっている原因については、なかなかきな臭い背景もあるのですが、ここでは言及しないでおきます。

資料などによると、現行品は鏡胴マウント端のすぼまりがなくなってほぼ円柱形となっているほか、光学系も変更されたYMV2595Nとのことです。そして、鏡胴デザインの変更により大半のCマウントアダプタとマウント端側が干渉するようになったため、使えなくなってしまったようです(アダプタによっては凹み部が広く、装着可能なものもあるそうです)。

さて、本題の八雲YMV2595ですが、このレンズは旧型のようです。

ご覧のとおり、マウント端がすぼまっているため、問題なくアダプタに装着できました。
鏡胴の前半分はビルトインフードになっていて、その外側はアタッチメントリングになっています。このアタッチメントリングは、ひねると簡単に外れました。このレンズは、そのアタッチメントリングに25mm F0.95とだけ刻印されていましたが、個体によってはNavitarなどのブランド名が記されているものもあります。おそらくOEM生産時のブランド分けをしやすくするための工夫かと思われますが、なかなか興味深い仕組みです。
アタッチメントリングは40.5mmのねじ切りとなっているため、フィルターやフードも簡単に取り付けられます。ただし、先述のようにビルトインフードがあるため、たいていの外付けフードはけられます。それどころか、フィルターも枠が厚いものはけられる可能性があるため、活用する機会は少ないでしょう。
絞り羽は8枚で星型とまでは行きませんが、やや波打った変形絞りです。最小絞りはf16で、クリックレスの無断階です。
最短撮影距離は50cmなので短くはありませんが、長いと文句をいうほどでもないでしょう。
その他のスペックについては不明点が多いので、また別の機会に調べてみようかと思います。

このレンズは1インチ素子用なので、マイクロフォーサーズでもイメージサークルは不足します。冒頭の作例でも四隅がはっきりケラレています(特に下の画像)。
もちろん1インチ素子のニコン1なら全く問題はありませんが、生産が終わっている上に電子チップ付アダプタを調達しないとフルマニュアル操作になってISO可変も効かなくなるので、なかなか悩ましいところです。この後に1インチ素子のニコン1V1で撮影した画像を掲載したので、見比べてください。

描写は素直というか現代的というか、合焦部はキリッとシャープです。アンジェニューのような凄まじいゴーストやフレアはありませんが、それでも多少フレアがかったようなにじみが見受けられることもあります。
ボケはぐるぐる傾向があり、点光源の描写も微妙ですが、厄介というほどではなさそうです。

旧型は数が少なくなってきたと言え、まだまだ気軽に見つかります。そのためか、アンジェニューを始めとして高騰した25mmのf0.95レンズとしては最安値に近く、開放1アンダーの世界を手軽に楽しめる1本だと思います。

カムラン Kamlan KL50mm F1.1

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マイクロフォーサーズマウントでフルサイズ換算だと100mmの中望遠レンズとなる「KL50mm F1.1」を試しました。
代理店を通じた国内販売が始まり、カメラショップなどでも気軽に買えるようになった「カムラン」ブランドのレンズで、以前に取り上げた「Kamlan KL28mm F1.4」のシリーズです。

代理店アストロ&バードウォッチング機材専門店「シュミット」の「Kamlan KL50mm F1.1」販売ページ。

代理店の販売サイトでもアピールされているように、大口径レンズとは思えないほどコンパクトです。ただ、フードはかっこいいのですが中望遠レンズには浅すぎ、内部に反射防止用の加工がまったくないことも含めて、気休め程度としか言えません。
このへんは値段なりということでしょう。
深さの点では「KL28mm F1.4」の深いフードが適しているのでしょうけど、どちらもバヨネットマウントの加工が甘く、妙に渋かったり緩かったりします。

幸いにもアタッチメント径が52mmなので、汎用フードでも中古でも選び放題ですから、気になる向きは手元のフードと入れ替えたほうが良いでしょう。

大口径レンズなのにコンパクトなのは5群5枚というレンズ構成によるもので、メーカーサイトの「KL50mm F1.1」解説をご覧になれば一目瞭然、かのルードヴィッヒ・ベルテレがA.クルーグハルトとともに開発し、当時は世界を代表する明るいレンズだったエルノスターの流れをくんでいるというか、まぁ現代版といったところです。
エルノスターは中望遠レンズに適したレンズ構成とされており、それをモダンテイストにアレンジするという着眼点はなかなか興味深いところです。ただ、高折射率鏡片(おそらく、異常分散ガラスでしょう)を2枚使ってもなお、エルノスターの欠点とされる収差の解消は難しかったようで、写りはずいぶん個性的なレンズです。また、これも「KL28mm F1.4」と同様にメーカーサイトではMTFチャートを掲載しているので、お好きな方は読み取ってみてください。
絞り羽根も「KL28mm F1.4」と同様に11枚で、クリックレスの不等間隔で「f11」の表示がないところも同じです。

肝心の写りですが、古典的な設計だけあって描写も古風というか味わい深いというか、グルグルボケに渋い色合いは好みがきっぱり割れそうですね。しかも、ポスプロで修正しにくい描写傾向でもあるところを考えると、現代風に仕上げるのはかなり厳しいでしょうね。
この辺はメーカさんも意識していたようで、すでに本国では「KAMLAN KL50MM F1.1 Ⅱ」なる新型が発売されているようです。スペックをみる限りでは6群8枚という構成だそうで、ふつ~にダブルガウスというかプラナーベースのレンズではないかなと推測します。またMTFなどから、描写も現代的で万人受けしそうな感じですから、できれば併売し続けてほしいところですね。

以下、作例(すべて開放)
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カムラン Kamlan KL28mm F1.4

代理店を通じた国内販売が始まり、カメラショップなどでも気軽に買えるようになった「カムラン」ブランドのレンズです。
ここでは、マイクロフォーサーズマウント「Kamlan KL28mm F1.4」を試しました。

代理店アストロ&バードウォッチング機材専門店「シュミット」の「Kamlan KL28mm F1.4」販売ページ。

代理店さんの表記に異を唱えるつもりはないのですが、紹介文で「最短撮影距離25cmとなっており、広角を生かした風景撮影以外にもあらゆるシーンに対応できます」とあるのはいささか疑問だったりします。というのも、フルサイズ換算だとAPS-Cマウントで42mmもしくは、マイクロフォーサーズマウントの56mmとなるのですから、やはり標準レンズと記載すべきだったように思います。

カメラ販売やレビューサイトでも言及されているように、鏡胴は長めでフードもやたらと深いです。また、フードはアマゾンのレビューで酷評されていたようにバヨネットマウントの加工が甘く、妙に渋かったり緩かったりします。内部に反射防止用の加工がまったくないことも含め、このへんは値段なりということでしょう。

鏡胴が妙に長いのは7群8枚というレンズ構成によるもので、メーカーサイトの「KL28mm F1.4」解説によれば、高折射率鏡片(おそらく、異常分散ガラスでしょう)を6枚も使っているのですから、ずいぶん贅沢なレンズですね。また、メーカーサイトにはMTFチャートも掲載されているので、お好きな方は読み取ってみてください。

これは、ほぼ正面の画像ですが、大口径レンズの割に前玉が小さいのもまた、前述の高折射率鏡片を用いた7群8枚というレンズ構成によるものと思われます。構成図を見る限り、わりかし現代的な設計のように思われます。ただ絞り羽根は11枚で、クリックレスの不等間隔というところは、なんとも古風な造りです。
クリックレスなのは、動画撮影も視野に入れているのかもしれませんが、その割にはトルクが重めのうえ「f11」の表示がありません。不等間隔絞りは、絞るに従って間隔が狭まるので、印字スペースが無かったためかと思われます
ところが、マウント部のカムランロゴは、レンズを装着時に真上に来るよう印字されており、デザイン的なポイントと同時に指標代わりともなります。このあたり、ロシアレンズ的なおおらかさと、現代風のセンスがマッチすること無く同居しているようで、非常に興味深いです。

付属のレンズキャップはセンターつまみのスプリング式で、バッグ内でも視認しやすい明るめの灰色です。簡体中国語の保証書と、クリーニングクロスが付属しています。

リアキャップもオリジナルデザインの明るい灰色で、しっかりした作りの箱といい、フード以外の付属品は割とよくできているように思います。

以下、作例(すべて開放)
PenF_325
PenF_323
PenF_312

肝心の写りは現代的で万人受けしそうな感じですが、マイクロフォーサーズマウントには高性能で廉価なAFレンズがいくつかあり、わざわざ不便なフルマニュアルレンズに手を出すのもなぁというのが正直なところです。アピールポイントの最短撮影距離も、マイクロフォーサーズの標準レンズはだいたい25cmくらいまで寄れるので、特に優れているということもなさそうです。
ただ、マイクロフォーサーズは被写界深度も深くなりやすいので、このレンズもf8まで絞るとほぼパンフォーカスとなります。そのため、マニュアルフォーカスであれば特に設定も変更せずパチパチ取れるというメリットが無くはないのですけど、少なくともこのレンズに固有の利点や特徴ではありませんね。

とまぁ、いささか厳しい評価となってしまいましたが、フジやキヤノン、ソニーなどのAPS-Cミラーレスカメラには現段階で対抗馬となるレンズはなく、そこそこ需要があるかもしれません。特にフジマウントはラインナップの隙間を埋める存在なので、もっと肯定的に評価されるであろうと思います。