アンジェニュー 10mm f1.8(10R21) Cマウント

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マイクロフォーサーズのPEN-FにCマウントアダプタを介してアンジェニュー10R21を装着、撮影しました。



代表的な16mm映画カメラ用のCマウントレンズ、アンジェニュー10mm/f1.8(10R21)を試しました。まず16mm映画カメラについてはWikipediaの解説「16mmフィルム」を、おおまかな背景とターレットマウント(回転式レンズマウント)への装着状況についてはナックイメージテクノロジーのサイトに掲載されているアンジェニューの歴史を参照してください(リンク先はFilm and Digital Timesが2013年10月に出した小冊子のAngénieux Historyを訳したもののようですが、なぜかAngenieux 25mm/f0.95を10mmと誤記しているので、その点は注意してください)。
先のwikiには16mmフィルムのコマサイズも解説されていますが、それはマイクロフォーサーズ規格よりもかなり小さく、さらに1インチ規格よりも一回り小さいぐらいなので、16mm映画カメラ用のCマウントレンズはイメージサークルが不足します。とはいえ、たいていのレンズには光学的な余裕があり、標準から望遠系のレンズなら四隅がケラれるていどです。

ところが、広角系のレンズはイメージサークルの余裕がほとんどないため、はるかに大きくケラれます。アンジェニュー10R21も同様で、大きくケラれてほとんど日の丸のようになってしまいます。下の画像はマイクロフォーサーズで撮影したものですが、ノートリミングだと画面の中央に丸く結像しているだけです。

また、アンジェニュー10R21は固定焦点レンズなので、絞り込んで被写界深度へ追い込まないとピントは合わせられません。いちおう、開放はf1.8なのですが、被写界深度が浅くなる上に描写も甘いので、実用的には最低でもf4まで絞らないと使いにくいし、おそらくはf8か11まで絞ることとなるでしょう。
とはいえ、ねじ込みマウントなので、微妙に緩めたり締めたりすればピント合わせも可能ですし、そういう使い方をしているユーザも多数います。もちろん、緩め過ぎれば脱落してしまうので(しかもアンジェニュー10R21は重い)、あまりおすすめできません。

そして、本来というか16mmフィルムの撮像範囲で大まかにトリミングすると、だいたい以下のような感じとなります。通常の16mmはコマサイズが縦7.49mmの横10.26mmとなり、縦横比は4:3の対角線長は12.7mmとなります。仮に35mmフルサイズ換算すると約3.4倍となるため、アンジェニュー10R21は10mmなので34mmとなります。

また16mm映画にはパーフォレーション(フィルムの送り穴)を片側のみとして、音声記録用の時期テープを省略することで撮像範囲を拡大した「スーパー16」という規格もあり、その場合はコマサイズが縦7.41mmの横12.52mmとなり、縦横比は5:3の対角線長は14.55mmとなります。仮に35mmフルサイズ換算すると約2.96倍となるため、アンジェニュー10mmの場合は30mmとなります。
この縦横比はフルHDの16:9に近いため、その比率で16mmサイズにトリミングしたのが以下の画像です。

イメージサークルは足りなくても中央部はシャープなので、このようにトリミングしてしまえば問題はありません。ただ、トリミングしてまで使う必然性を感じるかというと、それはまた別というのが正直なところです。
トリミングするとフルサイズ換算30から35mmとなりますが、それらの焦点距離には各社の優秀なレンズがいくつもあり、どうしてもそれらと比較してしまいます。作例などからもうかがえると思いますが、確かに最近のレンズにはない味わいもあるものの、その上でもなお手間を掛けて使うほどの魅力があるかというと……。

固定焦点については、速写性という利点もあるので撮影の方向性しだいというところですが、そうなるとオリンパスのフィッシュアイボディーキャップレンズが比較対象となります。ところが、価格や入手の容易さ、さらには大きさと重さもフィッシュアイボディーキャップレンズのほうが優れていて、画質についても特段の優位性はないというのが正直なところです。
ただ、絞りは可変なので開放付近の甘い描写を楽しんだり、またケラれた黒い部分をフレーム内フレームととらえて丸い画像による作画効果をねらうなど、工夫次第ではデジカメでもなにか面白いことができそうなレンズではあります。


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